2012年2月17日金曜日

アントワープよ、こんにちは

日本人のある年代には、よく知られている街である。70代に流行し、90年代にリメイクされし、見た人をほとんど泣かせてたと言われる、犬と青年の物語。そうフランダースの犬で有名になった街である。イギリス人作家が書いた名作であるため、ベルギー人にはあまり知られていない。
このアニメが、放送されて多くの日本人がこの街に訪ねたが、街の人々はほとんど知らなかった。そんな話されても、えっ?何っていう状態である。それは、今もあまり変わらないだろう。
僕はネロみたいに、ルーペンスの絵を求め、アントワープへ行ってきた。


アントワープには、ブリュッセルから電車で約1時間弱かかり、電車に乗ってる人はまばらだった。アントワープとブリュッセルの中間駅にこないと、駅員がチケットを確認さえもこない。
フランスの電車もそうだったのだが、たまにしかチケットを確認せず、確認するのもかったるそうなのである。彼らは、働く気があるのかって何度も思ってしまう。だから、無賃乗車してる若い人が沢山いるんだろう。バスもしかり。


僕は、アントワープに無事に着いたと思っていた。ここはあの有名なアントワープなのか、ベルギー第二の都市なのかと頭からハテナが取れなかった。なぜなら、人がいなく、観光客の姿さえ見えなかった。後で、分かったのだが、確かにそこはアントワープだったのだが、中央から少し離れてる場所だったのだ。


まあ、なんとか歩けばどうにかなるだろと思い、街を散歩することに。歩いても歩いても、人の姿が見えない。街はずれなのだから。
けれど、このおかげで、ふと訪ねたレストランが当たりだった。料理はとてもおいしく、ボリュームたっぷりだった。初めに入ったときは、ただ紅茶を飲んで暖まるつもりだった。だが、お昼頃になると地元の人でにぎわってきたので、これはここでお昼を食べるしかないとなり、今日のランチメニューを頼むことに。


出てきたのは、トマトソースのパスタに沢山野菜が入っており、その上に大きな鶏肉が二つのっていた。この鶏肉の中には、トローリとしたモッツァレラチーズが入っていた。この鶏肉とトマトソースのマッチ具合も良く、ペロリと食べてしまった。けれど、本当にボリュームがあり、二人前弱あるんじゃないかと思ったくらいだった。


そこの店の人と、街の人に聞き、アントワープの中央へ。ここの中央駅は、ブリュッセル駅のどんよりとした空気はなく、綺麗なヨーロッパらしい駅だった。このアントワープ中央駅の隣には、動物園があり、この動物園はヨーロッパ最古なんだと。
そこは、華麗にスルーし、街を歩くことに。ここアントワープは、フランダースの犬よりもダイヤモンドで有名な街であり、沢山の宝石店があった。日本で買うよりは、断然安いのだろうけど、僕には届かないものだな。ユダヤ人が沢山いました。あの黒い帽子に髭もじゃの人たち。


街を歩いていても、ブリュッセルより綺麗な街並みで、銀座を少し思い出すような感じだった。ショッピング街だった。
そこを少し歩き、ルーペンスの家へ。ヨーロッパは比較的25歳以下の人に優しい。入園料が半額になったり、1ユーロで入れたり。日本だと、学割が利いても大人より300円~500円くらいしか変わらない。もっと学生に美術に触れる機会があったらいいなってヨーロッパに来る度に思う。


ルーペンスの家は、一般公開されており、彼の作品を家を眺めながら見ることができる。彼の作品を見てから、いざアントワープの大聖堂へ。ネロがどういうものを最後に見たかったのか。


アントワープの大聖堂の前には、ものすごくちゃっちいものがある。先ほども言ったように、ここはフランダースの犬で有名になった街である。
街の人にも、この作品を伝えようとした日本人がいたのだろう。この大聖堂の前になんと、フランダースの記念ベンチ?があるのだ。
初めて見たときは、またもや小便小僧で味わったがっかり感がおそってきた。いや、なんだこれっと言った感じに。大聖堂の前にぽつんと石碑のようにおいてある。誰かに教えてもらわなければ、スルーしてしまうような感じで。
そして、この石碑をよーく見てみるとネロとパトラッシュの絵が描かれており、その隣には不思議な日本語が書かれていた。


「フランダースの犬」
”この物語は悲しみの奥底から見出す事の出来る本当の希望と友情であり、永遠に語り継がれる私たちの宝物なのです。”
と大きく日本語で書かれていた。確かに良いアニメだった。けど、なんだかこんなこと書かれるとそのアニメの価値が下がりそうな気がしてならない。知らない人から見たら、あっそうってなりそう。


こんな石碑を置いといて、いざ大聖堂へ。
歴史ある教会建築で、ネロとパトラッシュの最後にふさわしい場所だと思った。中は、とても広く、天井は何百年かけて作ったのかと思うくらいの高さだった。
大きなパイプオルガンが二つあり、この協会の中央にルーベンスのマリア様の絵が飾られていた。見ているものを安心させるような気がした。けど、この絵の時代背景を知れば、この絵を読むことができると最近本を読み知った。
キリスト教の絵は、書かれた時代に直接関係してくるものが大きい。なぜマリア様が大きく中央で描かれているのか、それを知れば分かるのである。
友達に勧められた「名画のいいわけ」は、ヨーロッパで絵を見る際に是非とも一読してもらいたい。


アントワープの街は、ベルギーのイメージをよい方向へ変えてくれ、また来たいなと最後には思うようになった。

2 件のコメント:

  1. アントワープ、私も行きました。ルーベンスの家に行って、それからお昼ごはん食べて、大聖堂に行ったら、なんと3時で閉まっちゃってました。えーーー、なんで~?!!!なんとも悲しくて、あの絵が何とか見れないか、横から覗いて、横のほうから微かに見えました。ちゃんと見たかった。でも閉まるの早すぎ。

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    1. まじすか!?僕が着いたのが、三時前だったので、ギリギリだったんですね。
      正面から見ると、感動しますよ。

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