前回の日記にも書いたように、アムステルダムからコペンハーゲンに向かう寝台列車に乗った。寝台列車がおもしろいのは、ユースホステル以上に誰と一緒の部屋になるか分からないところだ。
前回の東欧の旅でも、ギリシャ人のおばさんやアメリカ人の学生、ペルー人、スロベニア人、フランス人、ルーマニア人と相席になった。
ギリシャ人のおばさんは、ギリシャ語で友達と話すように僕に話しかけてきた。もちろん、分かるはずがない。
学生だったら、英語がしゃべれてなんとか会話になるのだが、母国語で僕に話しかけられても分かるはずがない。けど、強気に話してくるのはなぜなのか。分からないって言ってるのにもかかわらず。
今回の寝台列車の相席には、なんとバーガーキングのトレーナーが似合うラトビア人のおっさんだった。彼が乗ってきてからというもの、ロシア語でずーっと僕に話しかけてきた。しゃべれる英語と言えば、I'm Russian.Ok, Thank you ぐらい。
とにかくしゃべる。僕も応戦して、日本語でしゃべる。カオスな世界だった。一つ分かったのが、ヌーってのが、英語で言うIなのかなってことくらい。
一緒にトランプをしたのだが、知らないゲームをいきなりさせられた。よく分からなかったけど、一回勝てたのは僕の誇りです。
ラトビアのおっさんと仲良くなり、彼がもっていた夕飯をいただくことに。ハッシュドポテトにサラミ、なんかの豆をもらった。それに白ワイン。
何も夕飯を用意していなかったから、ありがたくいただいた。もらうときに、いちいちサンキュー言うなってのが、分かったくらい。おっさんと飲みながら、デンマークに向かっていく。
寝台列車に乗ってて、毎回驚くのが、夜中に急に警察がパスポートと要求してくること。今回は、特に警戒していたみたいだった。きっと、アムステルダムからマリファナを持ってくるんじゃないかと警戒しているんだろう。
夜中の調査のときのおっさんは、警察が何か言っても、もちろんロシア語しか分からないからやたらと強気だった。めんどくさそうにする警察。強がるおっさん。なんだか、こっちがハラハラしてしまった。
事件が起こった。
一回検査があれば、大丈夫だろうと思って爆睡していたら、朝の六時半頃ドイツの警察が入ってきた。ペンライトを顔に当てられ、いきなり「パスポート!」と脅してくるのだ。
寝ぼける暇もなく、パスポートを必死に探す僕。
反対におっさんは、だりいななんだよっていいながらパスポートを出す。ビビりと肝が据わってる人の対照的な絵だった。
だが、今回の警察はやたらと厳しくおっさんを問いつめる。けど、英語が分からないからロシア語で怒鳴る。英語が少しでも分かっていたら、スムーズに観光でストックフォルムに行くって言えたのに。
その言動が怪しく見えたため、警察は鞄を出せと要求し、おっさんをどんどん問いつめていく。麻薬犬も入ってきて、部屋中をクンクンとかいでいく。僕は、一人アムステルダムでついた臭いがひっかからないか、一人でハラハラ。
鞄を広げられ、どんどん荷物をポイポイだされる。若干おっさんは、酔っぱらっているため、若干怒り気味。そしたら、なんだか怪しい荷物がでてきた。頑丈にガムテープやら、透明テープで固めらている包み箱。
警察は、即座にナイフで切り初め、僕はそれを見ながらあーあ、お土産が破られて言ってるわーとか、のんきなことを考えていた。なかなか、その包みの中身がでてこない。警察も、なんだこれはとますます怪しみ始める。
そしてついにその中身が。
それはなんと・・・。
マリファナだった。
一気に警察の表情が変わり、おっさんは酔っぱらっているため若干何が起きているか分からない様子。警察に腕をひっぱられ、僕の目の前で手錠をされる。それを見ていた僕も、何がなんだか分からなくなる。
えっ?何が起きてるのと言ったように。おっさんは、ロシア語で警察を罵倒しながら列車を降ろされることに。俺に見せていたやさしいおっさんは、どこかに消え、ひさんなおっさんになっていた。
なぜか、自分が若干パニックになり、終始落ち着かなかった。車掌は、これがロックンロールだとかのんきなことを言っている。
これが、アムステルダムなのかもしれない。自分が自由になったと思えるのは、その街だけであって、そこから先はそんなにも自由ではない。
自分が自由な気分になって、マリファナを母国でも吸おうと持って帰ろうとするとこのような恐ろしい目にあうのだ。そんな教訓を目の当たりにした。
おっさんの荷物はすべて持って行かれ、列車は静かに出発していった。おっさんは、すこし臭かった。
すごい!すごすぎ。まるで、推理小説読んでるみたいでした。
返信削除巻き込まれなくてよかったね。
本当に何が起こるか分からないのが、僕の旅です。日本でもよく、変な人に絡まれますよ笑
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